中学生・高校生向

　第二次世界大戦へとすすんでいく時代のおはなしです。孤児院で暮らす個性豊かな子どもたちの姿がいきいきと描かれた作品です。

物語の舞台は、第二次世界大戦下のポーランドです。８歳のユダヤ人の少年スルリックは、家族とともに、ユダヤ人の強制居住区域であるゲットーで暮らしていました。

十歳のメロディは脳性麻痺のため、歩くことも自分で食べることもできません。二歳のころから言葉を理解してきたのに、声を出せないため、たったひとつの言葉すら話したことがありません。

中学2年生の主人公佐藤浩(ひろ)紀(き)は，父親の転勤で山あいの小さな田舎町に引っ越してきました。過疎の町の中学校は全校生徒が23人しかおらず，同級生はたったの7人だけ。

夏の日がようやく暮れると，橋のたもとで灯籠流しが始まりました。原爆投下から２５年目の夏，希未（のぞみ）の隣で母は二つの灯籠を流しましたが，一つの灯籠には名前が書かれていませんでした。