タイムカプセルを開こう

中学生・高校生向

投稿日:2012年2月1日

池田敏秀作著
2011年 1470円

小6の将也は、優しいけれど、どこか気弱で友達からからかわれていました。そんな将也の家に古い鍋とひしゃくが届けられます。差出人は田宮金物店。
将也の祖父、俊さんは、それらを見て、自分の子どもの頃を思い出します。50年前、俊さんの家の離れに、いかけやを営む田宮一家が住んでおり、娘の加代子とは同級生でした。ガキ大将だった俊さんは足の悪い加代子と運動会で二人三脚のペアを組む予定でしたが、加代子は、運動会を目前に引っ越していってしまいました。届けられた鍋とひしゃくは、加代子がずっと大切に持っていたものでした。
事情を知った将也は、俊さんが50年前に隠した二人三脚用の布ひもを見つけるため、普段は決して怖くて近づかない、火の見やぐらに登ることを決めます。
俊さん達の50年越しの思いが遂げられる結末は、心が温まります。将也が祖父たちの姿に励まされ、少しずつ、強く成長していく様子に、共感できる読者も多いのではないでしょうか。読後、とてもさわやかな気分になれる1冊です。
児童書おすすめの一冊。中学生向き

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