『北のはてのイービク』
投稿日:2008年7月25日物語の舞台は極北のグリーンランドです。
主人公のイービクたち一家は、本土から離れた島で暮らしていました。
長男のイービクは、この夏ついに父親に狩りを教えてもらえることになり、
自分を誇らしく思っていました。
ある日、イービクとともに海にでた父親が、
セイウチを狩ろうとして逆にセイウチに殺されてしまいます。
残されたのは、イービクと母親、年老いた祖父と幼い弟と妹です。
本土から離れた島に暮らすイービク一家は、
狩りの名人で食料を調達してきてくれる父親を亡くし大変な飢えに苦しみます。
やがて冬になり,イービクは家族のために氷の結氷が始まったばかりの海を渡り、
本土に助けを求める旅にでます。しかしその旅も、イービクにとって大変苦しい旅となるのです。
飢えに苦しむ一家の様子は息を飲む緊迫感があり、
厳しい自然の中で真摯に生きる人々の姿が伝わってきます。
素朴ですが力強い物語で、読後はその力強さが深く胸に残る一冊です。
児童書おすすめの一冊。小学校中学年~高学年向き。
紹介:調布市立図書館 児童担当