こいぬとこねこのおかしな話
投稿日:2017年8月2日ヨゼフ・チャペック作 木村有子訳
岩波書店 2017年5月 640円
森の小さな一軒家に、こいぬとこねこがなかよく暮らしています。ふたりは、人間のようにきちんと暮らしたいと思っていますがなかなかうまくいきません。
ある日、こねこが言います。「床がすごく汚い。きれいにしなくちゃはずかしいわ。人間は、ときどき床をあらってきれいにしているのよ。」ふたりは、さっそく床のそうじにとりかかります。そうじ道具がないので、かたい毛のこいぬをブラシにして床を洗い、やわらかい毛のこねこをタオルにしてふきました。床はきれいになり、こいぬとこねこは汚くなりました。そこで、かわりばんこに相手を洗い、ひもにぶらさがってかわかしたあと、一緒に洗濯かごにまるまって入り、いつの間にかねむってしまったという第1話「こいぬとこねこが床をあらった話」。ほかに、こねこがこいぬのズボンをうっかりミミズで縫ってしまう話など、こいぬとこねこがくりひろげる愉快な短編が10話入っています。
チェコの児童文学の古典で、著者自身によるユーモラスな挿絵も魅力的です。今回新しい翻訳で岩波少年文庫として出版されました。