狛犬の佐助 迷子の巻

児童書(こども)

投稿日:2014年2月13日


『狛犬の佐助 迷子の巻』
伊藤遊作 ポプラ社 2013年2月
1300円

明野神社には「あ・うん」という二頭の狛犬がいます。この狛犬たちには、百五十年前にこの狛犬を作った石工の魂が宿っていました。「あ」の狛犬には「親方」の魂が、「うん」の狛犬には弟子の「佐助」の魂が宿っていて、二頭はよくおしゃべりをしています。でも、その声は六歳までの子どもか、百歳を超えたお年寄りにしか聞こえません。
親方に、「狛犬らしくしろ」と注意されてばかりいる佐助でしたが、耕平という青年のことが気にかかって仕方ありません。耕平は、いなくなった飼い犬のモモが見つかるようお参りに来ては、モモに面影の似た佐助によく話しかけてくれるのでした。
ある日、佐助は、五歳の男の子翔太のひいおばあちゃんの話から、迷い犬を飼い始めた人のことを知ります。その犬がモモに違いないと思った佐助は、翔太を通じて、耕平にこのことを伝えようとしますが……。
気の良い佐助と、厳しくも佐助を見守る親方のコンビが活躍する楽しいお話です。挿絵の狛犬たちの表情もユーモラスで親しみを覚えます。

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