お静かに、父が昼寝しております-ユダヤの民話-
投稿日:2016年3月16日『お静かに、父が昼寝しております-ユダヤの民話-』母袋夏生編訳
岩波書店 2015.12 720円
ある日、ユダヤ教の大祭司が儀式で使う宝石が1つなくなっていることが分かりました。そこで、同じ宝石を持っているダマの家に使者を送り、宝石を譲ってもらおうとします。たくさんお金を用意してきたのに、ダマは「無理」「だめ」「むだ」とばかり言うだけで、一向に譲ってくれません。使者が理由を聞くと、となりの部屋をのぞいて言いました。
「問題は、ただいま父が昼寝中だということです」
(表題作「お静かに,父が昼寝をしています」)
この本には、各地に伝わるユダヤの民話32編と、「創世記」のはなし6編が収録されています。
民話はどれも、ユーモアたっぷりで、いじわるやずるいことをする人は懲らしめられ、正直者には幸せがやってきます。「創世記」のはなしは、旧約聖書に基づくおはなしを、ユダヤ教やキリスト教について知らない人でも十分に味わうことができるように訳されています。毎日少しずつ読み進めても楽しい1冊です。