『岬のマヨイガ』

児童書(こども)

投稿日:2016年1月7日

『岬のマヨイガ』
柏葉幸子著
講談社 2015年9月 1500円

東日本大震災が起こった日,萌花(もえか)ちゃんとゆりえさんは同じ電車に乗り合わせていました。萌花ちゃんは,会ったこともない親戚にひきとられるために,ゆりえさんは,夫の暴力から逃れるために。自分と同じような境遇の萌花ちゃんが気になったゆりえさんは,萌花ちゃんが降りる駅で一緒に降りることにしました。そこは,東北の狐崎(きつねざき)というところでした。

食堂で昼食を食べていると,大きな地震がおこり,津波が襲ってきました。ふたりは体育館に避難し,そこで山名キワさんというおばあさんと知り合います。おばあさんは,ふたりのことを自分の家族だといい,三人は空き家になっていた迷い家(まよいが)で暮らし始めます。

やがて,異界のものたちと親交のあるキワさんは,不穏な空気を感じ取ります。地震により封印を解かれた海へびが悪さをし始めたのです。三人は,海へびから村人を救うため,力を尽くします。
人々のいろいろな思いに寄り添いながら,遠野の昔話と重なる世界へ読者をいざないます。カッパや座敷童子,狛犬などが登場しますが,日常の中にファンタジーが組み込まれ,不思議な物語に引き込まれます。

『岬のマヨイガ』を図書館で探す