鳥海山の空の上から

児童書(こども)

投稿日:2015年5月30日

『鳥海山の空の上から』
三輪裕子作 佐藤真紀子絵 2014年
2014年 1500円

東京に住む小学校5年生の翔太は、家の都合で夏休みに秋田県矢島町に住む親戚の波江おばさんの家に滞在しなければならなくなります。翔太は生まれて初めて1人で上野駅から夜行寝台列車に乗り、何時間もかけて目的の駅に着きました。そこへ迎えに来てくれたのが、英語を話す風変りなはとこのユリア。ユリアの案内で波江おばさんの大きな家に着くと、だだっ広い座敷に、たくさんの遺影が飾られていました。翔太は、病気がちだが素朴でおおらかな性格の波江おばさん、型破りなユリア、温かく見守ってくれる矢島の人々に触れることにより、田舎暮らしを満喫します。
ストーリの背景であり、軸でもある鳥海山が大きな存在感を読者に与えてくれる作品です。エピローグの波江さんから翔太宛の手紙には胸を打たれ、ふっと空を見上げたくなります。何よりも鳥海山が近くに感じられるようなそんな1冊です。

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