シャイローがきた夏

児童書(こども)

投稿日:2015年4月29日

『シャイローがきた夏』
フィリス・レイノルズ・ネイラー著 さくまゆみこ訳 岡本順画
あすなろ書房・2014年 1404円

日曜日の午後、マーティが山の中を散歩していると、生後1~2年のビーグル犬が現れ、家までついてきてしまいます。マーティは犬にシャイローと名付けますが、父親は「ジャド・トラバーズの犬だな」と見当をつけ、夕飯のあとマーティとシャイローを連れてジャドの家に行きます。マーティは、お店の人をだましてお釣りを余分に手に入れたり、禁猟期にシカを撃ち殺したりするジャドを好きになれません。マーティはジャドが犬をいじめているのではと心配しますが、シャイローはジャドに返されてしまいます。
シャイローのことが頭から離れないマーティですが、金曜日の朝、シャイローはまたしてもジャドのもとから逃げ出し、マーティの家までやってきました。マーティは、家族にも秘密でシャイローを飼い始めます。マーティはシャイローが見つからないように嘘を重ねましたが、1週間ほど経ったある日、とうとう母親に見つかってしまいます。なんとか一日だけ父親に話すのを待ってもらいますが、その夜、別の家から脱走した犬に襲われたシャイローは大けがをし、治療をしてくれた先生からジャドにシャイローのことが知られてしまいました。マーティはなんとかシャイローを手放さずにすむ方法はないかいろいろ考えますが…。
マーティが犬を思う気持ちがよく伝わってきます。ジャドとマーティとの交流の中で、ジャドの気持ちの揺れやマーティのジャドに対する見方の変化などがうまく描かれ、読後、温かい気持ちになれる一冊です

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