わたしたちの島で
投稿日:2015年2月3日『わたしたちの島で』
アストリッド・リンドグレーン作 尾崎 義訳
岩波書店・2014年 920円
ストックホルム沖の小さな島,ウミガラス島に避暑にやってきたメルケルソン一家,不器用で,子どもっぽい面のある父メルケル,やさしく美しい姉マーリン,頭がするどいユーハン,しっかり者のニクラス,動物や昆虫を愛する末弟ペッレ。元気な島の女の子チョルベンと忠実な犬の水夫さんなど,個性的で魅力ある登場人物たちの島での暮らしが生き生きと描かれています。
チョルベンのかわいがっていたアザラシが売られそうになったり,一家が暮らすスニッケル荘の売却話が持ち上がったりといった事件も起こりますが,この作品に描かれているのは,人々のごく普通の暮らしであり,その中にこそささやかな幸せがある,ということが物語を通して伝わってきます。
この物語は,1964年にスウェーデンでテレビドラマが放映,本が出版されました。日本では物語誕生50年目にあたる2014年に『なまいきチョルベンと水夫さん』というタイトルで,映画が劇場公開されています。