ミリー・モリー・マンデーとともだち

児童書(こども)

投稿日:2014年11月10日

『ミリー・モリー・マンデーとともだち』
ジョイス・L.ブリスリーさく 上條由美子やく 菊池恭子え
福音館書店 2014年9月 1400円

『ミリー・モリー・マンデーのおはなし』から23年ぶりに出版された姉妹編です。髪も足も服も短い,けれど名前はとても長い女の子,ミリセント・マーガレット・アマンダ。皆は縮めて「ミリー・モリー・マンデー」と呼んでいます。古き良き時代のイギリスの田舎を舞台に,彼女の毎日を描いた短編集です。
この中の1編「おしゃれをする」をご紹介しましょう。ミリー・モリー・マンデーは友達のスーザンとおかあさんたちの古着を見つけます。すっかり“着飾った”二人はレディになりきり,その格好でおつかいに行ってしまいます。町の大人たちは気付くものの,何も言わずにレディとして扱ってくれます。おしゃれもおつかいもできたので,二人は大満足するのでした。
素直で明るいミリー・モリー・マンデーはとても愛らしく,読んでいると心が温かくなります。そして,周囲の大人たちのおおらかで優しいこと!子どもたちに対して,失敗をとがめるよりも良い行いを十分にほめることで育てていく姿は,私たち大人にとって示唆に富んでいます。やさしい挿絵もおはなしの雰囲気をよく伝えています。ぜひ1作目と併せてお読みください。

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