官兵衛、駆ける。

中学生・高校生向

投稿日:2014年1月16日

『官兵衛、駆ける。』
吉橋通夫著 講談社 2013年11月
1400円

戦国時代の名軍師、黒田官兵衛の少年時代から青年時代を中心に描いた作品です。
姫路城主小寺家の長男として生まれた萬吉(後の官兵衛)は、学問や武術、乗馬などを学びながら成長していきます。
萬吉が8歳の頃、父とともに領内の見回りに行くと、山境をめぐって村どうしのいざこざが起こっていました。しかし、機転を利かせた萬吉が争いを止め、父の裁きで事は収まります。その、どちらの村にも損得がなく、力づくではなく双方を納得させる父の裁きに萬吉は大きな影響を受け、やがて、武力ではなく知略で敵をくだす武将を目指すようになります。
生涯、戦で負けたことのない黒田官兵衛の、賢さだけではなく、戦で人の命を失いたくないという強い思い、実直な人柄を読みやすい文章で語っています。また、一夫多妻が一般的だった時代に、一人の女性と添い遂げた意外な一面を知ることもできます。
今話題の人物についてじっくり読んでみませんか。

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