両手を奪われても

中学生・高校生向

投稿日:2013年4月17日

『両手を奪われても―シエラレオネの少女マリアトゥ』
マリアトゥ・カマラ スーザン・マクリーランド共著 村上利佳訳 汐文社 2012年
1600円

今も世界で最も貧しい国の一つである、アフリカ西部のシエラレオネ。この物語の語り手であるマリアトゥは、小さくても活気のある村で、皆で力を合わせて働き、友だちやいとこと楽しく遊ぶ日々を送っていました。しかし、11歳の時、内乱が勃発して生活は一変します。マリアトゥは、武装反乱軍に捕らえられ、彼らが擁する少年兵によって両手首を切断されたのです。
反乱軍から逃げて、幸い生きながらえることのできたマリアトゥは、さらに、以前に受けたレイプによる出産、そして生まれてきた男の子の病死を経て、イギリスに渡り、次にカナダに渡ります。
マリアトゥがユニセフの特別代表となって、自分の物語を伝えるようになった、今にいたるまでを率直に語ったドキュメント。自分の身に起きたことで自分をかばうのでなく、自分の将来を信じてどこまでも前に向かって進んでいくマリアトゥの姿が魅力的です。

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