月からきたトウヤーヤ
投稿日:2017年9月10日蕭甘(しょうかん)牛(ぎゅう)作 君島久子訳 岩波書店
2017年4月 640円
親切でわらじ作りが上手いと評判のおばあさんは、「わらじおばさん」と呼ばれ、わらじを編む三つの道具たちに名前を付け、子どものように可愛がっていました。ある十五夜の晩、おばあさんは月から来たおじいさんに頼まれて履き心地の良いわらじを作ると、おじいさんはお礼に「トウモロコシの種だよ」と言ってウサギの歯を一粒くれました。歯の種をまいて育てると、育ったトウモロコシは男の子に変わり、その子はウサギの歯(トウヤ―)から生まれたので「トウヤーヤ」と名付けられました。トウヤーヤはすくすく育ち、働きすぎて見えなくなってしまったおばあさんの目をなおすため、三つの道具と共に不治の病をなおす金の鳥を探す旅に出ました。トウヤーヤは力を合わせて戦い、金の鳥と、金の鳥を守っていたわたひめを連れて帰りました。おばあさんは金の鳥のおかげで病が治り、三人は幸せに暮らしていましたが・・・。このお話は中国チワン族の創作民話で、作中でしばしば歌やなぞがうたわれ,かけあいになりますが、これはチワン族の大きな特色です。