蒼き狼

一般書

投稿日:2007年9月14日

井上 靖著
新潮社 2006年 660円

成吉思汗の征服と闘争の一生。
(上帝から命ありて生まれたる蒼き狼ありき、その妻なる惨白(あおじろ)き牡鹿ありき、大いなる湖を渉りてきぬ。モンゴルの伝承)
一一六二年、黒流江上流の遊牧民の子として生まれた鉄木真(てむじん)は、全蒙古の部族を征服して成吉思汗(じんぎすかん)と名のる。
西夏、ウィグル、金を征服しカスピ海、ロシヤにも攻め込む。
敵に対しての徹底した破壊と殲滅行為、男は殺し、又は捕虜として兵に加え、財宝を奪い城郭には火を放って文字通り灰燼にする。
女は奴婢かモンゴルの子を産ませる為捕虜とする。何故?他部族に略奪された母の胎内に生を享けた事で、蒼き狼の裔であることを自分自身に証明しなければならなかった。遠征中に幕舎で死去。六五歳。
緑ヶ丘読書会  西宮 啓
読書会おすすめの一冊。
紹介:アカデミー愛とぴあ

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