氷の上のボーツマン
投稿日:2010年2月25日舞台は流氷がただよう冬の港です。凍てつく寒さが続き,雪がどっさり降ったある日,3人の子どもたちが,船長さんと船で暮らしている子犬のボーツマンと遊ぼうとやって来ました。一番大きい7歳のウーヴェ,暴れ者でお調子者の6歳のヨッヘン,まだ小さい5歳の女の子カトリンです。3人はボーツマンを連れ出して,入り江にできた氷の原っぱへ遊びにいきます。
氷の原っぱは鏡のようで,そこには静まりかえった世界が広がっていました。その先には真っ黒な海があるばかりです。ウーヴェが止めるのも聞かず,ヨッヘンと子犬のボーツマンは水際の氷の上で踊りだします。すると突然氷が割れて,ヨッヘンと子犬のボーツマンの乗った氷が切り離されてしまいます。
ヨッヘンはジャンプをしてなんとか氷の原っぱに戻ってきましたが,子犬のボーツマンは氷の上に取り残されてしまい,ボーツマンを乗せた氷の塊はどんどん流されていきます。ウーヴェはなんとかボーツマンを助けようとしますが,ヨッヘンは恐くなって逃げ出してしまい…。はたしてボーツマンは無事に陸地に戻って来られるのでしょうか?
この物語は1959年に旧東ドイツで出版され,2009年に初めて日本で翻訳・出版がされました。挿絵は黒と赤の二色刷りの版画で,独特の雰囲気がある素晴らしいものになっています。半世紀もの時を経て日本に紹介された,とても趣のある作品です。
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紹介:調布市立図書館 児童担当