楽しいスケート遠足
投稿日:2010年1月25日低地の多いオランダは国中に運河や水路がたくさんあり,冬になるとそれがすべて凍ります。そして大人も子どもも凍った運河でスケートをすることを楽しみにしているのです。
エストル村に住むエベルトとアフケのふたごの兄妹もスケートができる日を心待ちにしていました。そして本格的な冬が到来すると,二人の担任の先生はクラスの子ども16人を連れ,運河を通って初めて訪れる町まで向かう一日がかりのスケート遠足を計画します。
先生の引っ張ってくれるポールにつかまって滑ったり,氷の上に張られたテントのお店でココアを飲んだりしながら,みんなは楽しいひとときを過ごしますが,途中エベルトは魚釣り用の穴に落ちておぼれそうになってしまいます。
びしょぬれになったエベルトは,近くの農家にお世話になりますが,そこではエベルトだけでなくクラスのみんなが雪入りのパンケーキをご馳走になるなどの温かいもてなしを受けます。その後も楽しい出来事や,少しはらはらする出来事が次々に起こります。さて無事に遠足を終えることができたのでしょうか?
読後は,登場人物とともに遠足に行ってきたような満足感が得られます。ふたごを中心に子どもたちの姿が生き生きと描かれていることで,遠足の一日を追っただけでない厚みのある豊かな物語になっています。背景となるオランダの風物も魅力的で,作者本人により描かれた絵も大変美しく一読をおすすめしたい本です。
児童書おすすめの1冊。小学校中学年向き
紹介:調布市立図書館 児童担当