忘れられた日本人

一般書

投稿日:2008年9月10日

宮本常一 作
岩波書店 1995年 1068円

十年前の読書会で、この『忘れられた日本人』を取り上げた時は、「日本地図帖を広げて、四日間作者と一緒に旅をして出会えて良かった本の一冊!」とノートに記してあります。
──昭和十四年以来日本全国をくまなく歩き、各地の民間伝承を克明に調査した著者が、文化を築き支えてきた伝承者=老人達がどのような環境に生きてきたかを、古老たち自身の語るライフヒストリーをまじえて活き活きと描く。辺境の地で黙々と生きる日本人の存在を歴史の舞台にうかびあがらせた宮本民俗学の代表作──
という解説の通りでありますが、中部、および西日本の社会を背景にした年寄りの方たちに対して、東日本の古老についてはたった二十三ページ唯一人だけの登場でしたが、現在の日本があるのはこのお年寄りたちが頑張ってくれたおかげですし、忘れられた人々を世に出してくれたこの作品を非常に貴重に思う私であります。
緑ヶ丘読書会   菅谷久枝
読書会おすすめの一冊。
紹介:アカデミー愛とぴあ

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