夏の庭
投稿日:2009年7月10日人は死んだらどうなるのだろう。誰かが死んだらどんな気持ちになるのか。
そんな好奇心から小学校六年生の仲良し三人組の少年が、独りで暮らすおじいさんの死を見届けようと見張りをはじめる。
ところが、生きる屍のようだったおじいさんは、不思議なことに少年たちに見られていることで元気になっていく。いつしか少年たちの「観察」は、おじいさんとの深い交流へと変わっていく。
少年たちと造った「夏の庭」を残しておじいさんは死ぬ。彼等は親しい人との死別の悲しみを実感する。
「核家族化がすすみ、年寄りと接する機会が少なくなったけれど、ここで子供たちはおじいさんからいろいろなことを学ぶでしよう。これは貴重な体験だったと思う」とAさん。
「何かあったとき、子供たちはおじいさんだったら何と言うだろう、と考える。これは大事なことだと思うし、思いやりの心にも通じる」というBさん。
加えて本書は、戦争の苦い記憶を引きずっているおじいさんの側からも興味深く読むことができる。
月曜読書会 大出きたい
読書会おすすめの一冊。
紹介:アカデミー愛とぴあ