ラーシアのみずくみ

児童書(こども)

投稿日:2010年4月25日

安井清子文 砂山恵美子絵
こぐま社 2009年 1365円

主人公は,ラオスの山の村に住むラーシアという3歳の男の子です。村には水道がないので、毎日水場に水を汲みに行かなくてはなりません。ラーシアの家では,水汲みはお姉ちゃんのヌンの仕事でした。
ある日,ヌンが水汲みに行こうとすると「ぼくもみずくみにいく!」とラーシアは言いました。お母さんがまだ小さいからラーシアには無理だと止めるのですが,ラーシアはお姉ちゃんを追いかけます。ラーシアは犬やガチョウ,こぶたたちに「ぼく,みずくみにいくんだよ」と自慢しながら水場へと向かいます。
水場で水を汲み終わると,ヌンはポットを一つ,ラーシアに渡します。ラーシアはポットを持ってヌンの後を歩きますが,すぐに重くなってしまいます。
すると,そこには先ほど会ったこぶたたちが…。ラーシアはこぶたたちに水を地面にこぼして飲ませてやります。その後も犬やガチョウに水を飲ませてやったため,家に着く頃にはコップ3杯分の水が残っているだけ…。それでもお母さんはお手伝いができたラーシアを褒めてやり,ラーシアとヌンとお母さんは3人でその水を飲みました。
日本の子どもたちも,背伸びをして頑張るラーシアに共感できるのではないでしょうか。人の役に立ちたいと張り切るラーシアと,それを褒めてやるお母さんの様子はほほえましく,あたたかい気持ちになれる作品です。
児童書おすすめの1冊 小学校低学年向き
紹介:調布市立図書館 児童担当

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