ボノボ-地球上で,一番ヒトに近いサル-

児童書(こども)

投稿日:2009年6月25日

江口絵理著
そうえん社 2008年 1260円

みなさんはボノボを知っていますか?ボノボは,地球上で一番ヒトに近いサルと言われている第四の類人猿です。
ゴリラやオランウータンがヒトにとって親戚だとすると,チンパンジーやボノボは家族といえるくらいヒトに近い存在なのです。
ボノボは非常に高い知能を持ち,平和をこのむ社会で暮らしています。ボノボはめったにあらそいをおこしません。なぜなら,動物界では唯一無二のケンカ回避術を持つからです。
あらそいのおこる場面の多くで,攻撃という手段ではなく,性行動でその状況をおさめます。食べ物をめぐるあらそい,魅力的なメスをめぐるあらそい,敵かもしれない見知らぬ相手に出くわしたとき,日常的にケンカになりそうなときに,ボノボは手近な相手をみつけて性行動をはじめ興奮や緊張をやわらげます。
この本にはこのようなボノボの不思議な生態や,目を疑うほどの知能の高さ,危機に直面しているアフリカの現状,動物保護の難しさなど多岐にわたる内容が詰まっています。
著者は,「ある動物の目から世界を見たら,まったく新しい価値観が見えてきます。」と言っています。
人間のうつし鏡ともいわれるボノボを知り,ボノボの視点から世界を見てみませんか。
児童書おすすめの一冊。小学校高学年以上。
紹介:調布市立図書館 児童担当

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