シュトッフェルの飛行船

児童書(こども)

投稿日:2009年3月25日

エーリカ・マン作 若松宣子訳
岩波書店 2008年 640円

この本は1929年にノーベル文学賞を受賞した文豪トーマス・マンの娘であるエーリカ・マンによって書かれました。
主人公は10歳の少年クリストフ・バーデルで,あだ名はシュトッフェルといいます。シュトッフェルは家族を助けるため,学校が終わると貸しボート屋でボートこぎとして働いていました。ある時,シュトッフェルは両親が生活の苦しさを嘆いている会話を聞いてしまいます。
そこで,シュトッフェルは,アメリカで成功しているおじさんのところに行き,今の家の大変な状況をはなして助けてもらおうと考えます。
両親には10日間だけ旅にでるとはなして,たった一人ドイツからアメリカへ出発します。シュトッフェルが立てたアメリカまでのルートは,飛行船に密航しようというものでした。
郵便袋の中に忍び込み,飛行船への乗船に成功して,これでアメリカまでたどり着けると思った矢先,飛行船に大変な事態がおこります。
スピーディーな展開で次々に事件がおこる作品と異なり,話の展開はゆったりしていますが,初めから終わりまで安定した面白さがありとても楽しい作品です。
児童書おすすめの一冊。小学校高学年以上。
紹介:調布市立図書館 児童担当

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