すべての犬に里親を! 阪神・淡路大震災 1556頭の物語

児童書(こども)

投稿日:2008年9月25日

今西乃子著 講談社
2008年 1300円

1995年1月17日,6000名以上の死者を出した阪神・淡路大震災。被害を受けたのは人間だけではありません。飼い主を探して街中をウロつく犬や猫。大混乱の中、1556頭もの犬たちを保護し、里親探しに奮闘した人たちがいました。
獣医師や愛護団体のスタッフ、大勢のボランティアが、自身も震災の被害に合いながら、ゼロから動物救助をスタートさせ、保護した全ての動物を飼い主、あるいは新しい家族へ引き渡すという活動が描かれています。被災したがゆえに,家族同然の犬たちと暮らすことができなくなった飼い主たちが“犬の今後の幸せ”を最優先に考えて,泣く泣く里子に出す状況に,動物を飼うということはひとつの命を預かることだと考えさせられます。
巻末には「動物と暮らす飼い主が災害時に備えるために」というページもあり,災害に備えてどんな準備をしておくべきか,救護に携わった人たちの視点から語られています。
児童書おすすめの一冊。小学校高学年から。
紹介:調布市立図書館 児童担当

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