『おとなりさんは魔女―アーミテージ一家のお話1―』

中学生・高校生向

投稿日:2010年10月26日

ジョーン・エイキン作 猪熊葉子 訳
岩波書店 2010年 714円

アーミテージさん夫妻の奥さんは、新婚旅行の海岸で穴のあいている石を見つけます。その石には願い事をかなえる力がありました。奥さんは「これから先、ずっと退屈しませんように」と願います。
それからというもの、アーミテージ一家には次々と不思議な出来事が起こります。家の庭に騎士がやってきて戦いをしたり、食料貯蔵室にある袋入りのじゃがいもが、全て美しいヴェネツィアングラスのりんごにかわってしまったり、魔女がお隣で幼稚園を開いたり、家が魔法使いの研修所にされそうになったこともありました。退屈する暇なんてありません。でもこれは、すべてアーミテージ奥さんが願ったことなのです。
不思議な出来事は、月曜日に起こるということに慣れっこになっていた一家。ところが月曜日でない、火曜日にもとんでもないことが起こります。庭に美しいユニコーンが100頭もやってきたのです。
『アーミテージ一家のお話』は全3巻のシリーズです。第1巻には、この「火曜日のふしぎ」を含め8編の短編が収録されています。
アーミテージさん夫妻と2人の子どもたちは、とてつもないことがふりかかってきても、くじけることはありません。どんなときも慌てず対応していく様子がユーモラスでこの物語の魅力の一つです。
著者の奔放な想像力、空想力から描きだされる物語は、読者の心をとらえ物語の世界に引き込みます。次はどんな事件が起こるのか?この一家から目が離せません。
紹介:調布市立図書館 児童担当

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